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 はじめに

 2018 年 6 月 12 日、初の米朝首脳会談会談が行われ、共同声明に署名した。声明で、金正恩委員長が「完全な非核化」に取り組み、トランプ大統領が北朝鮮の体制の「安全の保証」を約束ると明記された。

 当ホームページでは、これまで、北朝鮮の弾道ミサイル技術的な分析に軸足をおいて解説してきた。それは、意図的に脅威を喧伝し、秘密のベールに閉ざされた不可解で虚飾に満ちた国であったことによる。

 北朝鮮を取り巻く周辺の国家は、北朝鮮の言動に絶えず神経を尖らせ、何を仕出かすかわからないことから、しばしば、時には、意図的に、その脅威を過大評価してきた。

 北朝鮮は、2017 年 9 月 3 日、第 6 回の核実験を行い、国連安保理による「対北制裁決議」の採択した米国に対し、同 14 日、「全土を焦土化」し、同調国日本に対しては「取るに足らない日本列島の 4 つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ」と威嚇した。そして、同年、11 月 29 日、金正恩委員長は、ICBM「火星-15」の発射試験を行い、「国家核戦力の歴史的大業、ミサイル強国の偉業が実現した」と豪放した。

 一方、中国の習近平主席は、2017 年 11 月 9 日のトランプ米大統領との共同記者会見で「太平洋に中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と発言し、太平洋の東を米国、西を中国が管理して、太平洋を米中で二分しようとする中国の膨張主義が見え隠れする。

 中国は現在、北朝鮮と対照的に、粛々と太平洋への進出の基盤を固めている。その顕在化の一部が南沙諸島の人工基地化であるが、北朝鮮問題で霞んでしまった。

 今後、北他朝鮮の脅威の喧伝は鎮まるであろうが、"CVID" に絡んで、ゴタゴタが続けば、世界の目は続けて、中国の陰謀を見逃してしまう虞がある

 下表に、中・朝・韓・日の主要統計を示す。

中・朝・韓・日の主要統計
国土面積(万㎢) 総人口(千人) 名目GDP
(百万US$)
1人当たりGDP
(US$)
中 国 956 100.00% 1,402,500 100.00% 11,218,781 100.00% 7,993 100%
北朝鮮 12.7 1.32% 25,369 1.81% 16,789 0.15% 665 8%
韓 国 10 1.05% 51,246 3.65% 1,411,246 12.58% 27,785 348%
日 本 37.80 3.95% 127,749 9.11% 4,936,212 44.00% 38,640 483%
 ・データ項目の値は、国連統計(2016年)による。
 ・各データ項目の右列のは、中国に対する比率(%)を示す。

 表に示したように、国力から見た北朝鮮に対する中国の潜在的脅威は強大で、北朝鮮の脅威は、”取るに足らない”。

 ここでは、1949 年、中国共産党が中華人民共和国を建国して以来、100 年後(2049 年)を目指して「世界覇権」を企図して着々と歩を進めている戦略と、その達成に必須な技術革新等について解説する。

 なお、米、中は太平洋を挟んで地理的に広大な地域に広がるために、随所に、「Google Earth」を利活用する。「Google Earth」は、ある程度のことは、マウス等によって操作できるが、地図上に弾道軌跡を引く場合など高度な利活用には、KML 言語を使って一種のプログラムを組む必要があります。KMLKeyhole Markup Language)は、ホームページの裏で働いている「HTML」(Hyper Text Markup Language)と同じように、タグ言語で、"Keyhole"(鍵穴) は、最初に、この言語開発した会社の名前です。「Google Earth」は無料でダウンロードできるので、使用した KLM ファイルも提示します。KML ファイルをダブルクリックすると、自動的に「Google Earth」が立ち上がって、プログラムの結果が「Google Earth」上に表示されます。

 

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