北朝鮮の「火星15」に迫る
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ICBMは最終段階に入ったか？ 北朝鮮の「火星15」に迫る |
北朝鮮は、2017年11月29日3時18分ごろ、平安南道平城（ヒョンソン）から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。新型の ICBM「火星15」としており、53分後に、青森県西方約 250 ㎞ の日本の EEZ 内に落下した。最高高度は 4,500 ㎞ に達し、射程は約 960 ㎞ 。
| 図0 -1 発射地点「平安南道平城（ヒョンソン）」 |
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29 日午後、金正恩委員長は新型の ICBM 「火星15」の発射について「国家核戦力完成の歴史的大業、ミサイル強国偉業が実現した」と宣言し、北朝鮮は「米本土を攻撃できる超大型重量級核弾頭の搭載が可能」とした。
この段階で、米国は北朝鮮の主張に懐疑的であった。新型ではなく、2017 年 7 月 4 日と、28 日に発射された「火星14」の改良型と分析した。「38 NORTH」のメンバーで、国際戦略研究所のミサイル防衛上級研究員の Michael Elleman は、その分析を「North Korea's Third ICBM Launch」と題するペーパー上で、11 月 29 日で発表した。
翌 30 日に、新規に開発したとみられる9 軸の長大な TEL（輸送起立発射機）によって射場に搬入された「火星15」が、見事な演出効果を伴って、起立し、轟音とともに発射されたビデオが公開された。
| 図0-2 TEL に搭載された「火星15」 | 図0-3 起立した「火星15」 |
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このビデオが公開されるや、「火星15」に対するネガティブな評価は、一転してポジティブな評価に変わった。先の、Michael Elleman は、翌日のペーパー「The New Hwasong-15 ICBM: A Significant Improvement That May be Ready as Early as 2018」で、「公開された写真とビデオは、火星15の発射試験が先に評価したような火星14の修正版でないことを示している」として、「Hwasong-15」は、今や、米国本土のいかなる地点に対しても、1000 ㎏ のペイロードを届けることができるようになってきた、としている。
ここでは、先ず、「火星15」の弾道を、ペイロード（弾頭質量）1, 000 「㎏」、射程 13, 000 「㎞」として、そのシミュ―レーションモデルを作り、次に、そのモデルを用いて、平城（ヒョンソン）から Washington に至る弾道を分析する。